SCI'13  第57回システム制御情報学会研究発表講演会

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講演会企画

  1. 特別講演: スーパーコンピュータ「京」とその応用について, 横川 三津夫 氏 (神戸大学)
  2. チュートリアル
    • E-commerce企業におけるビッグデータへの挑戦と課題, 平手 勇宇 氏 (楽天技術研究所)
    • 実世界における自律移動ロボットの制御, 伊達 央 氏 (防衛大学校)
    • 距離センサと推定アルゴリズムの併用による検知システム, 田中 雅博 氏 (甲南大学)
    • 変分ベイズ学習とその応用, 中島 伸一 氏 (ニコン光技術研究所)
  3. 招待講演
    • 分解順番先送りアルゴリズムによる組立アニメーションと3D作業指示図の高速自動生成技術の開発と実用化, 榎本 敦子 氏(日立製作所)
    • カオス結合系における同期問題とその応用, 小口 俊樹 氏 (首都大学東京)
    • マルチエージェントシステムのブロードキャスト制御:確率的制御器による大規模システムの機能発現, 東 俊一 氏 (京都大学)
    • スポーツにおける体幹稔転のバイオメカニクス, 深代 千之 氏 (東京大学)
    • 「使いたくなる」をデザインする, 松下 光範 氏 (関西大学)
    • スポーツスケジューリング, 松井 知己 氏 (中央大学)
    • 記号創発システムの計算知能による表現に向けて:記号創発ロボティクスのアプローチ, 谷口 忠大 氏 (立命館大学)
    • Theory Meets Practice: 理論研究者の産業応用研究への取り組み事例, 池田 和司 氏 (奈良先端科学技術大学院大学)
  4. オーガナイズドセッション
    • ストカスティックシステム探求の広がり
    • 構造物健全性評価の最前線
    • システム同定の最新動向
    • システムの最適化と知能化
    • 医療健康分野への情報技術の応用
    • 沼島プロジェクト: 離島・漁村における直流技術による自立分散エネルギーシステム技術の実証研究
    • 農業ロボット
    • 計算知能の新展開
    • ソフトコンピューティングとその応用
    • 集合知による評価とクラスタリング
    • 医療健康情報技術と空間知 (ISCIE-SICE空間知部会連携セッション)
    • スワームとその計算法
  5. 論文投稿促進セミナー

1. 特別講演

スーパーコンピュータ「京」とその応用について

 神戸大学 横川 三津夫 氏

 文部科学省「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核となるスーパーコンピュータ「京」は,理研と富士通が共同で開発したもので,88,128個の計算ノードから成る大規模分散並列コンピュータである.平成23年11月に世界で初めてLINPACK性能10ペタフロップスを達成した.平成24年6月に完成,平成24年9月から一般利用への共用を開始している.本講演では,「京」開発の概要とその応用などを紹介する.

2. チュートリアル

E-commerce企業におけるビッグデータへの挑戦と課題

 楽天技術研究所 平手 勇宇 氏

 ビッグデータという単語が出現してから久しいが,E-commerce企業において,ビッグデータをどのように活用し,どのようにビジネスに役立てていくのかが近年、ますます重要視されてきている.本チュートリアルでは、ビッグデータを収集するシステム基盤や,それをストア・解析するストレージ基盤の構築事例,および,商品レコメンド,商品ランキング,商品サーチアシストシステム等の応用事例を言及しながら,E-commerce企業がビッグデータをどのように活用しているのかについて解説する.更には,現在の技術動向を踏まえた上で,今後ビッグデータ関連で課題となるであろう事項についても考察をしていく.

実世界における自律移動ロボットの制御

 防衛大学校 伊達 央 氏

公道を使用した移動ロボットの公開実験として,つくば市内において2007年からつくばチャレンジが実施されている.ロボットはスタート地点から1km以上離れたゴール地点まで,人の助けを一切借りずに独力でたどり着くことが求められる.車両の軌道追従等古くから研究されている制御問題に対して,実世界ではどういう点に難しさがあるのか,また今後重要な役割を果たすと考えられる制御問題について,これまでの5回の参加経験から議論する.

距離センサと推定アルゴリズムの併用による検知システム

 甲南大学 田中 雅博 氏

スキャン先がライン状であるレーザー測距センサや,多くの上下左右の点までの距離が同時に測れる深度センサを用いた応用システムが様々なシステムに展開されつつある.本チュートリアルでは,講演者らがこれらのセンサを用いて開発した歩行者カウンタシステム,移動ロボットにおける歩行者検知システム,移動体に深度センサを装着して路面上の障害物や穴を検知するシステムへの応用例について述べる.これらのシステムでは最適化手法や非線形カルマンフィルタを用いてリアルタイムでパラメータ推定をしており,それらのアルゴリズムについても述べる.

変分ベイズ学習とその応用

 ニコン光技術研究所 中島 伸一 氏

確率の基本法則から演繹されるベイズ学習は、適切なモデル設計の元で最強の学習法であり、また、モデル選択の一般的な枠組みを提供する便利な学習法である.しかし、多くの統計モデルにおいてベイズ学習は計算困難である.この計算困難性を回避するための有力な手法として、変分ベイズ法が広く利用されている.本講演では、変分ベイズ法の基礎から応用まで詳しく解説する.

3. 招待講演

分解順番先送りアルゴリズムによる組立アニメーションと3D作業指示図の高速自動生成技術の開発と実用化

 日立製作所 榎本 敦子 氏

製造拠点のグローバル化による作業品質の確保,個別受注生産の増加や短納期化に対応するための作業指示手段として,組立アニメーションや3D作業指示図が有望であるが,作成工数が膨大である.そこで,3DCADモデルから組立順序と組立動作を高速で自動生成する分解順番先送りアルゴリズムを開発した.本公演では,部品数の階乗オーダの計算時間となる組立順序生成問題に対し,動的計画法的なアプローチで組立順序案を生成する本アルゴリズムと,その製造現場の作業指示への適用について紹介する.

カオス結合系における同期問題とその応用

 首都大学東京 小口 俊樹 氏

同期現象は,自然界に数多くの実例を見ることができるだけでなく,広範な分野において研究がなされてきている.結合システムにおいて生じる同期現象の研究は,17世紀オランダの科学者 C. Huygensによる振子時計の振子の同期現象の観察がはじまりと言われるが,近年ではカオス系のネットワークにおける同期問題へ発展している.本講演では,同期現象について紹介したのち,とりわけカオス的挙動を示す非線形システムを結合したネットワークシステムの同期現象の解析・制御について,制御理論の観点から行われている研究動向を概観する.更に,同期の活用の取り組みについても紹介したい.

マルチエージェントシステムのブロードキャスト制御: 確率的制御器による大規模システムの機能発現

 京都大学 東 俊一 氏

標準的なマルチエージェントシステムの制御問題では,エージェント同士が局所的な情報交換を行う状況が想定され,群全体に大域的な目的を達成させることが考えられていた.一方,これとは異なり(エージェント同士の情報交換が無い状況で),すべてのエージェントに同一のメッセージをブロードキャストすることで,大域的目的の達成が必要とされる場合もある.このような制御は,「ブロードキャスト制御」と呼ばれ,大規模系のための次世代制御技術として近年注目があつまりつつある.本講演では,このブロードキャスト制御の実現にあたって,人為的に確率要素を含ませた制御器(確率的制御器)の利用が不可欠であることを示し,その具体的な構成法に関して紹介する.また,ブロードキャスト制御だけでなく,一般的な制御系において確率的制御器の果たす役割についても議論する.

スポーツにおける体幹稔転のバイオメカニクス

 東京大学 深代 千之 氏

これまで、スポーツに関するバイオメカニクス研究は、主に投・打動作における上肢そして走・跳動作における下肢というように、四肢の動きを運動学・運動力学の観点から、特に関節トルクを基に分析し、動きの機序を解き明かしてきた.この四肢の研究を元に体幹の重要性が指摘され、その指摘は指導現場でも認知されてきたが、体幹稔転の「軸」や「トルク」などに関しては科学的論証が十分とは言えなかった.そこで、我々の研究室では、まず体幹稔転の軸に関する定量分析を試みた.加えて、体幹を上胴と下胴という2セグメントあるいは上胴・中胴・下胴という3セグメントの剛体モデルと仮定して、走・投・打動作を対象に体幹稔転のトルクを算出し、体幹稔転のメカニズムを検討した.また、エネルギー論の観点から、体幹稔転の持続運動を様々な運動強度(トルク)で行い、呼気ガス分析によるエネルギー消費量を測定した.その際、体幹の表層筋の筋電図も取得した.これらの定量的データを基に、スポーツにおける体幹稔転の役割について、論じてみたい.

「使いたくなる」をデザインする

 関西大学 松下 光範 氏

私たちの身の回りにはたくさんのシステムがあります.携帯電話のように小さくて多機能なシステムもあれば、冷蔵庫のように、大きいけれど冷やす機能のみに特化したシステムもあります.このように、技術の進歩や発展に伴って様々なシステムが登場していますが、必ずしも全てのシステムが「使いやすい」モノになっているわけではりません.システムの使い勝手にうんざりしたり、いらだちを感じたりした経験はないでしょうか.現在、このような現状を少しでも解消するために、ユーザとシステムとのやりとりを考慮し、機能と使いやすさが両立するような新しいシステムを実現する方法論が模索されています.本発表では、「仕掛学」や「インタラクションデザイン」をキーワードに、「使いやすい」をデザインするための取り組みを紹介します.

スポーツスケジューリング

 中央大学 松井 知己 氏

従来、スポーツ競技のスケジュールは手作業で立てられていたが、コンピュータの支援の下にスケジュールを作成する手法の研究が、数年前よりアメリカを中心に大きく発展している.本発表では、スポーツのスケジューリング作成に用いられる、数学的な性質や手法について説明し、スケジューリング作成法に関する近年の結果を紹介する.

記号創発システムの計算知能による表現に向けて: 記号創発ロボティクスのアプローチ

 立命館大学 谷口 忠大 氏

人を含んだ創発システムの中でも重要なものに記号創発システムがある.記号系とは人間が認知発達の過程で形成した概念や周囲の人間から語られた言葉,身体的・社会的経験をもとにボトムアップに形成される創発的存在である.このような記号創発システムのダイナミクスを構成的に理解することは,人間とコミュニケーションするロボットを作る上でも重要である.本発表では,記号創発システムをロボットを用いて議論するために,我々が展開する記号創発ロボティクスの研究領域について概説する.

Theory Meets Practice: 理論研究者の産業応用研究への取り組み事例

 奈良先端科学技術大学院大学 池田 和司 氏

かつては学習理論と機械学習は異なるものであり,理論研究者は必ずしも応用例を考える必要はなかったが,現在ではその知見を有効利用しようという流れがあり,多くの理論研究者が応用研究に参入している.本講演では理論研究者が応用研究に取り組むあるいは応用研究者と共同研究を行う場合にどのような姿勢でどのように取り組むかを,産業技術賞の研究テーマである自動車運転行動モデリングを事例として紹介する.

4. オーガナイズドセッション

ストカスティックシステム探求の広がり

オーガナイザ: 滋賀県立大学 安田 寿彦 氏

伊藤の確率微分方程式やARモデルなどの離散時間システムを用いた研究を端緒に約半世紀の間に,ストカスティックシステムに関する研究は,様々な数学モデルの誕生とともに急速にその研究領域を広げてきた.本セッションでは,モデルや応用事例を限定せず様々なテーマに関する研究を「ストカスティック」をキーワードとして集め,専門とする分野が異なってもその分野の概要を理解できるような発表に努め,ストカスティックシステム探求の広がりを参加者で共有する.

構造物健全性評価の最前線

オーガナイザ: 神戸大学 小島 史男 氏

東日本大震災以降,鉄道や道路等の高架建造物,トンネル,橋梁,高層ビルに関する保守技術の高度化がいっそう重要になってきている.構造物の経年劣化が進んでいくにつれて,それらの設備利用率や運転履歴を考慮してシステムの状態を監視していくことが求められてきており,この目的に適応可能な新しい検査技術が注目を集めている.本セッションにおいては,最近の非破壊検査技術の最前線を紹介いただき,構造物の新しい健全性評価のありかたについて議論を深める.

システム同定の最新動向

オーガナイザ: 立命館大学 鷹羽 浄嗣 氏,徳島大学 池田 建司 氏

近年,システム同定の分野では,同定手法や対象システムは多様化し,バラエティ豊かな研究が展開されている.本オーガナイズドセッションでは,制御システムのシステム同定に関する最新の興味深い話題を取り上げ,今後の研究動向を探る.主なトピックとして,部分空間同定法,Just-in-Timeモデリング,連続時間システム同定,切替えシステムの同定などを予定している.

システムの最適化と知能化

オーガナイザ: 関西大学 尹 禮分 氏

人間の意識の中では,これまでの直・間接的な経験を活かし,与えられた環境のもとで,自分の満足度または効用が大きくなるような働きをし,その判断に基づき最終的行動を起す.このような一連の処理を「システムの知能化と最適化」として捉え,意思決定の観点から社会・工学システムにおける諸問題に対する理論および手法,応用事例,などについて研究発表ならびに議論を行います.

医療健康分野への情報技術の応用

オーガナイザ: 兵庫県立大学 礒川 悌次郎 氏, 倉本 圭 氏

近年,医療・健康・介護・看護の各分野において情報技術の利用・融合に関する研究が展開されています.これらの研究により,皆国民医療や健康の高質化などが期待されています.本セッションでは,このような医療健康分野に対する情報技術の適用・応用に関する研究,例えば,医用生体情報解析,生体センシング,看護アプリケーション,生体計測シミュレーション,ヘルスケアシステム,生体モデリング,などの分野についての研究発表ならびに討議をいたします.

沼島プロジェクト: 離島・漁村における直流技術による自立分散エネルギーシステム技術の実証研究

オーガナイザ: 神戸大学 玉置 久 氏

環境省・地球温暖化対策技術開発・実証研究事業のもと,離島「沼島」をフィールドとして推進しつつある「離島・漁村における直流技術による自立分散エネルギーシステム技術の実証研究」プロジェクトの概略ならびに個別研究テーマの内容について報告する.まず,プロジェクトの全体概要を紹介した上で,主な課題テーマである直流給電方式を基本とした直流マイクログリッド技術,汎用型モバイルバッテリ技術,ダイナミックプライシングによる電力消費抑制技術,システム全体としての最適構成・最適運用技術のそれぞれについて,狙いや取り組みについての現状を報告する.

農業ロボット

オーガナイザ: 北海道農業研究センター 村上 則幸 氏, 神戸大学 深尾 隆則 氏

農業の省力化,自動化のために,農業ロボットの必要性が増している.農業ロボットの実現には,システム・制御・情報の各分野の技術を総動員する必要がある.本オーガナイズドセッションでは,実用化を目指して活発に研究開発を進めておられる研究者に,最新の研究成果を発表いただき,議論を行うことにより,農業ロボット実現のために必要な技術を明らかにする.

計算知能の新展開

オーガナイザ: 大阪府立大学 能島 裕介 氏

進化計算,ニューラルネットワーク,ファジィシステム,強化学習など,計算知能の個々の技術やそれらのハイブリッドによって,様々な学習手法や最適化手法が研究されており,応用範囲も広がり続けています.本企画セッションでは,新しい計算知能手法や応用問題に関する最新の研究について討議をいたします.

ソフトコンピューティングとその応用

オーガナイザ: 関西大学 前田 裕 氏, 広島工業大学 寺西 大 氏

ニューロコンピューティングをはじめとするソフトコンピューティング技術について,画像ぼけ復元やト悪条件モグラフィの画像再構成問題,衛星画像解析,嗅覚センサ信号解析,学習ハードウェア実装などの幅広い分野への応用事例を報告する.

集合知による評価とクラスタリング

オーガナイザ: 高知大学 円谷 友英 氏, 大阪府立大学 本多 克宏 氏

多数の被験者からなるグループにおけるAHPやDEAに基づく評価や,クラスタリングに基づく多変量データの要約をはじめとした,広くグループ意思決定支援に関連した事象の議論を目的とする.ORに基づく評価手法とクラスタリングの融合により,集合知の活用を目標としたデータマイニングと意思決定支援に関する展開を模索する.

医療健康情報技術と空間知 (ISCIE-SICE空間知部会連携セッション)

オーガナイザ: 兵庫県立大学 畑 豊 氏, 首都大学東京 久保田 直行 氏

本オーガナイズドセッションは,ISCIE-SICE研究会連携企画であり,空間知の概念を含んだ医療・健康・介護・看護に関する先端的なテクノロジーの研究に関する意見交換を行うことを目的とする.具体的には,生体モデリング,シミュレーションや身体性に基づく行動モデリング等の基盤技術から日々の生活習慣や健康を管理するシステム,臨床現場で用いられるMR,CT,超音波装置等の画像信号診断技術,手術支援装置等の応用技術まで幅広いトピックスを扱う.

スワームとその計算法

オーガナイザ: 広島大学 大倉 和博 氏

単体では能力に限界がある個体が群れをなすことによって個体単体では到達できなかった能力を発生させることがある.本企画セッションでは,このような群れの創発的挙動生成に関する方法論や分析法に関して議論する.

5. 論文投稿促進セミナー

講演会初日のランチタイムに「論文投稿促進セミナー:論文誌の仕組み,教えます!!」を開催します。詳細はこの案内をご覧ください。

システム制御情報学会 〒606-8305 京都市左京区吉田河原町14 近畿地方発明センタービル内
TEL:(075)751-6413 FAX:(075)751-6037 URL: http://www.iscie.or.jp/